<J2:仙台2−1横浜FC>◇第37節◇22日◇三ツ沢
J2仙台は、今季2度目の逆転劇で横浜FCを2−1で破り、得失点差で及ばず4位ながらも、勝ち点56で3位甲府と並んだ。1点ビハインドで迎えた後半8分、MF村上和弘(24)が35メートルのスーパーミドルを決め流れを呼び込むと、FWシュウェンク(26)が勝ち越しゴールを押し込み、粘る相手を突き放した。今季3度目の3連勝で一気に昇格圏に躍り出た。
村上が、昇格へ向けた最終ゲートにチームを導いた。0−1で迎えた後半8分、目の前に大きく開けたシュートコースを見逃さなかった。「前へ突っ込もうかと迷ったが、止まって打った」と村上。相手DFがヘディングで大きくクリアしたボールが村上の足下目がけ大きく流れる。その瞬間、迷わず右足を振り抜いた。ボールは、約35メートルの距離を一瞬にして走り抜けゴールネットに突き刺さった。
目の覚めるような弾丸シュート。息を飲みながら軌道を見守っていたサポーターから、ドッと歓声が上がる。年に1度決まるか決まらないかと揶揄(やゆ)され続けた村上のスーパーミドルが、またとない周期でピタリとはまった。「時間が止まった感じ。イメージ通り。枠内に飛べば何かが起こる。しっかりボールを抑えて蹴れたことがよかった」と村上。両腕を大きく広げ、大きくガッツポーズ。あっという間に歓喜の渦に巻き込まれた。
ゴールに向かい続ける強い気持ちが勝利の女神を振り向かせた。リズムをつかめないまま迎えた前半38分、逆転劇場の舞台作りをやってのけた。左サイドを一気に駆け上がると相手DF富永英明(29)のファウルを誘発。2枚目のイエローを奪い取り、レッドカードで退場に追い込み、数的優位の状況を生み出した。勝ち越しゴールを決めたのはシュウェンク。その功績もかすんでしまうほどの大仕事をやってのけた。
リベンジの機会をじっとうかがっていた。「裏に蹴られた瞬間、頑張って走りましたよ」と村上。9日の天皇杯で背後のスペースを狙い打ちされ何度もピンチを招くと、前節甲府戦でメンバーから外された。都並敏史監督(44)は「いろいろな意味で運があったゲーム。今日は村上さまさまですね。ホイップしながら地をはうボール。年に1度あるかないかのスーパーゴールでしたね。ベンチを外れて悔しい思いもした。この野郎!都並って気持ちがあったのかな」と苦笑いを浮かべた。
得意のレンジからねじ込んだ値千金の長距離砲。居残りシュート練習の成果が大一番でようやく実を結んだ。「好きですね。ここは…」と村上。J1横浜時代の99年、同じ三ツ沢球技場でプロデビュー。ナビスコ杯大宮戦で後半ロスタイムに出場し、いきなりプロ入り初ゴールをマークしている。残り7試合。思い出の詰まった場所で千両役者に躍り出た村上が、昇格レースの旗頭となる。【下田雄一】
[2005/10/23/11:26 紙面から]
写真=後半23分、仙台FWシュウェンク(背番号9)は決勝ゴールを決めサポーターの前で喜ぶ
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