◇2000年パラリンピック・シドニー大会競泳女子150メートル個人メドレー運動機能障害(10月20日・国際水泳センター)

 前回96年アトランタ大会の自由形で金メダル2個の成田真由美は、総合力が求められる個人メドレーでも快泳。背泳ぎの次の平泳ぎで連覇を狙うライバルのケイ(ドイツ)にリードを許したが、そこから粘り強い泳ぎをみせる。得意の自由形で逆転し、最後は体2つ分の差をつけて快勝。2分53秒73の世界記録で金メダルを獲得すると、ゴーグルの中に涙があふれた。

 結局シドニーでは自由形や背泳ぎを含めて6個の金メダルを獲得。さらに、続く04年アテネ大会では7個を手にして、金メダルの数は15個(メダル20個)になった。中学生の時、原因不明の横断性脊髄炎にかかり車いす生活に。両腕の力だけで圧倒的な成績を残した「水の女王」は、20年東京五輪パラリンピック組織委員会の理事としても活躍している。(2015年03月11日東京本社版掲載)