<元女子プロレスラー タレント マッハ文朱(56)>

 娘は東京五輪出場が夢です。次女のユキ・チャン(19)はプロテニスプレーヤーです。14歳の時にはアメリカの大会のジュニア・オレンジ・ボウルで優勝しました。その娘が東京五輪開催が決まると決意しました。「私は日本代表になって、東京五輪で戦う」って。

 五輪出場という高い目標のため、大学を休学してプロとして第1歩を踏み出しました。日本プロテニス協会の佐藤直子会長は「ダブルスならメダルが狙えるところまで行ける」と言ってくれてます。日本に拠点を移して一般財団法人「プロツアージャパン」のサポートを受けてサーキットを転戦しています。長女は宝塚歌劇団に入って星組男役の桃堂純(とうどう・じゅん)として頑張っています。

 私自身、五輪で印象深いのは、やはり前回64年の東京五輪。バレーボールの東洋の魔女に憧れました。それでも84年、ニューヨークへ留学中に見たロサンゼルス五輪に驚きがありました。

 アメリカは大きくて時差もある。特にニューヨークは、さまざまな人種が暮らす1つの国みたいなもの。ところが宗教も、生まれた国も違うニューヨーカーたちが、アメリカの国旗・星条旗の下、一つになって声援を送っているのにびっくり。一方で「自分は日本人なんだ」と実感しました。現在住んでいるアメリカは大好きです。でも、日本が一番 !  これは絶対です。

 89年にはロサンゼルスにも留学し、93年に台湾系アメリカ人の主人、ロバート・チャン(58)と結婚しました。彼の仕事の関係で、台湾に5年間住むうちに長女と次女が誕生。そしてロサンゼルスへ戻りました。娘たちは、それぞれの国の良いところを取り入れ、グローバル人として育ってくれています。ただ、家では主人に合わせて英語ですが。

 次女は出場を目指し、私自身も東京五輪への参加も考えています。61歳になってるんですが、まだまだ元気なマッハのままだと思います。英語が話せるので、海外生活の経験を生かして日本へ来る人を「お・も・て・な・し」したい。それが今の私の目標です。

(2015年07月08日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。