<J1・FC東京 大金直樹社長(49)>

 東京をホームタウンとするFC東京としても、4年後の東京五輪はチャンスとしてとらえています。最大の課題は、このクラブから日本代表選手として出場し活躍すること。もう1つは東京で開催されるので、クラブによって街が活性化すること。そして、五輪を機にFC東京を世界に知ってもらえることに活用すること。3つの「活」を起こすことができたらいいですね。

 その中でも1番はやはり、東京から育った選手がでることが理想ですが、所属の選手が出場することが大きいと考えております。4年後、(元バルセロナ下部組織出身で中学生ながら飛び級で東京U―18FW)久保建英(たけふさ)が19歳。五輪出場は十分あり得ますよね。東京の選手が日の丸背負って新国立のピッチに立つことが何よりもうれしい。

 久保だけじゃなくて、U―18にはMF平川怜もいる。平川、久保の2人はやはり、この世代で飛び抜けたレベル。だからこそ上でやって試されないといけない。クラブも試していかないといけない。五輪でも有望な選手になると思います。そうなったときには、東京と日本の誇りを持ってピッチに立ってほしいです。

 そのためにセカンドチームという形でU―23(23歳以下)をつくって、今季からJ3に参入しました。クラブのボトムを上げることで、育成スピードをアップさせた。4年後に23歳になる今18、19歳の選手のレベルを上げること。それがクラブ全体として、育成体制の強化を図る一環になります。

 久保の飛び級もその1つの表れ。東京五輪で19歳だから戦えないとは、まったく思っていない。年齢の差を埋める育成をしっかりやって育てることが、東京の強みであり、責任だと思っています。

(2016年10月5日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。