ゴールボール女子日本代表のエース、浦田理恵(39=シーズアスリート)を擁する九州なでしこが「TEAM FUZOKU」に0-3で完封負けした。

 前半5分のオウンゴールから流れが変わった。鉄壁な守備を誇る九州なでしこが立て続けに得点を許した。浦田の正確な投球もゴール枠から外れる場面があり、攻守のリズムは試合終了まで戻らなかった。浦田は「コントロールミスが多くて、これでは勝てない。もっとパワーをつけて、ボールを左右に投げ分ける必要があった」と反省した。

 熊本県出身。小学校教諭を目指して専門学校へ通っていた20歳の時、網膜色素変性症を発症した。視力が徐々に低下し、左目の視力はなくなり、右目は光を見分けられる程度。04年アテネパラリンピック銅メダルで同じチームに所属する小宮正江(41)に憧れ、ゴールボールを始めた。運動は得意ではなかったが、才能が開花して、08年北京大会では守備の要のセンターを任された。相手の動きを頭に思い描く「サーチ力」は世界一と評され、12年ロンドン大会では金メダルを獲得。リオ大会は海外選手の高く弾むバウンドボールや強烈なスピードボールに苦戦し、準々決勝で敗退した。

 今の日本代表は39歳の浦田や安達阿記子(33)が中心で、20年東京大会に向けては欠端瑛子(23)や若杉遥(21)らへの若返りが課題とされる。浦田は「黙って(代表の)席を譲る気はないが、切磋琢磨(せっさたくま)して代表を強くしたい。世界一になるためにも今は筋力アップと自分に合った投球術を見つけたい」と話した。

 ゴールボールは、バレーボールと同じ広さのコートで、1チーム3人の視覚障がい者が目隠しし、鈴入りのボールを転がしてゴールを狙う競技。同大会には計4チームが出場。27日に決勝、3位決定戦が行われる。