障がい者による競泳世界選手権(9月30日開幕、メキシコシティー)に向けて都内の国立スポーツ科学センターで行われている日本代表の強化合宿が14日、報道陣に公開された。

 リオパラリンピック50メートル自由形銅メダリストの山田拓朗(26=NTTドコモ)が取材に応じた。

 今回の世界選手権会場は標高2250メートルの高地。未体験ゾーンでの戦いになるが、リオで水泳チームの主将を務めた山田は落ち着いていた。「確かにタイムは落ちるかもしれません。でも、条件はみんな同じですから」。自らは50、100メートル自由形をメインにバタフライなど複数種目で表彰台を狙う。「高地ですが自己ベストを狙える調整をしたいです」。

 練習パートナーで今年1月にはハワイで一緒に合宿したロンドン五輪200メートル平泳ぎ銅メダリストの立石諒(27)が、現在開催中の日本選手権を最後に現役引退の意向を表明した。「諒さんからは(引退のことは)以前から聞いていました。残念でですが、諒さんらしいレースで締めくくってほしい」。僚友の思いも胸に山田は世界へ向かう。【小堀泰男】