昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックの車いす陸上女子でメダルを獲得し、引退したベルギーのマリーケ・フェルフールトさん(37)が来日し、23日夕、東京都内の同大使館で開かれた日本のパラリンピアンらとの交流夕食会に出席した。安楽死の許可を得たとリオ大会中に公表して話題になった。

 フェルフールトさんは「14歳から夢見ていた」と話すほど日本の文化が好きだという。21日に来日。5月上旬まで滞在し、アスリートとの交流や観光を予定している。

 この日の夕食会には、車いす陸上のパラリンピック金メダリスト(アトランタ大会)で、ロンドン大会で戦った田中照代さん(57)も参加。2020年の東京大会出場を目指す田中さんに、フェルフールトさんは「応援している。信じればできる」とエールを送った。

 また、東京のバリアフリー状況について「階段は多いけれど、みんなが優しくもてなしてくれる」と印象を語った。

 フェルフールトさんは脊髄の病気で下半身が動かない。症状は進行中で激痛が襲うこともあり、今回の訪日には看護師が同行している。

 ロンドン大会で金と銀、リオ大会で銀と銅を獲得し引退。自身が安楽死するための必要書類に08年に署名、許可を得たことを公表した。