リオデジャネイロ・パラリンピックの金メダリスト、ゴードン・リード(25=英国)が男子シングルスで初優勝を飾った。

 世界2位で第2シードのリードは、決勝で同5位、第4シードのニコラ・ペイファー(26=フランス)を7-6、6-1で撃破。第1セットのタイブレークに入ってから集中力を発揮し、バックハンドのスライスと緩急で相手のパワーショットを封じることに成功すると、そのまま押し切った。

 昨年の全仏オープン準優勝で頭角を現したニューカマーは、リオ五輪金、ダブルス銀で一気にブレークした。「何も特別なことはないんだ。これまで続けてきたことが昨年に花開いただけなんだ」。この日の決勝のように相手のプレーに柔軟に対応できる、高い戦略性を持ったサウスポーだ。

 今大会5試合を戦ったが、日本人選手との対戦はなかった。20年東京ではパラリンピック連覇がかかる。「日本は車いすテニスでは世界の強豪国の1つ。真田や三木、今はケガをしている国枝もカムバックしてくるだろう」と3年後へライバルの名も挙げた。今年の全豪オープンは第1シードで臨みながら初戦敗退。日本での初優勝を弾みに全仏オープンへ向かう。【小堀泰男】