障がい者スポーツの冬の祭典、平昌(ピョンチャン)パラリンピックが9日に開幕する。アルペンスキー女子座位の村岡桃佳(21=早大)は、2度目の大舞台で日本選手団の旗手を務める。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)ノルディックスキー・ジャンプ女子銅メダルの高梨沙羅(21=クラレ)に負けじと悲願のメダル獲得を狙う。連載「冬の超人たち」では、活躍が期待される日本選手を3回にわたって紹介する。

 沙羅ちゃんに続け!! 村岡は4年間の成長を結果で示す。日本選手ら約30人とともにこの日午後、平昌入り。「今大会は旗手としての責任感もある。かっこいい滑りをして最低でもメダル。この目標を達成しないと4年間が無駄になるし、手ぶらで帰れない」と、あえてプレッシャーをかけて気持ちを奮い立たせた。

 高梨の背中を追う。平昌五輪銅メダルで、W杯歴代最多の通算53勝の絶対女王。村岡が愛用するスキー板のメーカー「ELAN」は、高梨も14年ソチ五輪で使用していた。「同じ年の選手が世界でこれだけの実績を残してすごいなと思うのと同時に少しでも追いつきたい」と同世代の活躍をエネルギーに変えるつもりだ。

 五輪2大会連続で銀メダルに輝いたノルディックスキー複合の渡部暁斗らを輩出した早大スキー部の誇りもある。15年に国際大会の出場者らを対象にした「トップアスリート入試」でパラリンピアンとして初めて合格した。大学側は約500万円を捻出して合宿所のバリアフリー工事を実施。2年から他の部員と共同生活したことで勝負への意識も変化した。「仲間がストイックに競技に打ち込む姿を見て、結果への執着心が強くなった」。今季W杯では各種目で表彰台に立ち、今大会は5種目に出場する。目標のメダル獲得への準備は整った。【峯岸佑樹】

 ◆村岡桃佳(むらおか・ももか)1997年(平9)3月3日、埼玉県生まれ。埼玉・正智深谷高卒業後、早大スポーツ科学部へ進学。4歳の時、横断性脊髄炎を発症し、車いす生活となる。中2で本格的に競技を始める。日本選手団最年少の17歳で出場した14年ソチ大会は大回転5位、回転9位。17年W杯白馬大会スーパー大回転優勝。家族構成は両親、姉、兄、妹。150センチ。