「最速」へ歩み続ける。女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒(31=相沢病院)が19日、平昌市で会見し、3月中旬の今季のW杯最終戦を欠場し、カナダ・カルガリーで行われる国際大会で世界記録36秒36の更新を目指すと宣言した。

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 小平選手はずばり、世界記録を出せると思います。女子500メートルの世界記録は李相花(韓国)の36秒36。小平選手の金メダルタイム36秒94との差は0秒58ありますが、決して越えられない壁ではありません。

 高地のカルガリー。標高40メートルの五輪会場に対し、カルガリーは1100メートル。標高が100メートル上がると、タイムは0・1秒短縮するといわれています。単純計算すると、約1秒短縮。女子初の35秒台も出せる計算になります。さすがに35秒台は困難でしょうが、心技体の充実ぶりを考えると、世界記録更新は可能でしょう。

 自分の現役時代から春先のカルガリーは記録が出る印象があります。暖かくなり、体も動きやすくなることはもちろん、整氷車が氷を溶けづらくする薬をまいているとの説もあり、氷が本当によく滑るのです。

 前回ソチ五輪後、上体を起こしつつも、重心を後ろに下げた新フォームに替えたばかり。まだまだ改良の余地もあります。まだ31歳。自分も37歳で自己ベストを出したように、スポーツ医科学が進化した今、31歳は肉体的にも進化の余地が残っています。1000メートルに続く世界記録を期待します。(長野五輪女子500メートル銅メダリスト)


18年2月18日、平昌五輪 女子500メートルでレースをする小平
18年2月18日、平昌五輪 女子500メートルでレースをする小平