宮原さんは完璧な素晴らしい演技でした。ケガで思うように調整が進まないなか、よくあそこまで持ってきたと思います。出来栄え点での加点の大切さが象徴的な大会となりましたが、練習中に本当に細かく確認する姿が印象的でした。回転不足の改善はもちろん、スピンの回転数なども最高難度のレベル4を取るだけでなく、いかに加点をつけられるかを追求していました。ステップも含め、全てレベル4で取りこぼしもなく高得点につなげました。

 坂本さんは冒頭の連続ジャンプをきれいに決めたことで落ち着けたと思います。スピード感、明るさを発揮して、勢いよく滑りきりました。独自色あるプログラムでしたが、演技構成点がジャッジに評価されるのはこれからでしょう。いろいろなジャンルにチャレンジして、引き出しを増やしていってほしいですね。

 優勝したザギトワ選手はSPもフリーも、基礎点が1・1倍になる後半にすべてのジャンプを集めました。今のルールで勝つための最善策を貫きましたが、それにはスタミナが必要です。なかなか組めない構成を滑りきる強さがありました。(カルガリー五輪代表)