数日前、知人から「平昌のプレスセンターに変な像があるから、写真を撮ってきて」と連絡があった。何のこっちゃと思い確認しに行くと…これか!男性の膝までの銀の裸像が3体。その頭には弾丸の先のようなヘルメットがかぶせられている。足元にある説明には、金知鉉(キム・ジヒョン)作「Bulletmen(弾丸男)」とある。日本ではこの謎の彫刻が一部で報じられており、ネット上で話題となっている。

 調べてみると、この作品は13年に行われた美術展に合わせ、設置されたもの。今回の五輪とはまったく関係がなかった。韓国人記者に聞くと、今回の日本での騒ぎを受け、作者の金氏がインタビューに応じているという。金氏は「こんなに注目され、びっくり」と驚くとともに「これは、現代人の自画像。いやらしい部分が注目されているが、メッセージを感じてほしい」と困惑しているようだ。筆者はこれまで古今東西の美術鑑賞に努めてきたが、韓国には陶器、絵画など素晴らしい芸術がたくさんある。世界中のプレスが、この像を韓国アートの代表と勘違いしないといいのだが…。【高場泉穂】