現地で困ったのがタクシーだ。日本と比べれば格段に安いのだが、ソウルとは違い平昌(ピョンチャン)は台数が少ない。ある日、時間がなかったので試合会場から次の会場までタクシーで移動しようとしたが、これが大変だった。つかまらない上に、電話で頼んでも競技会場には入れず、場所が分からない会場外のコンビニの前を指定された。ボランティアの人に連れて行ってもらい事なきを得たが、到着時も遠方で降ろされ、苦労した。

 会場の担当者に聞くと、1年前のテスト大会時から台数も、英語が話せる運転手も増やしたが、遠くでしか乗り降りができないこと、言葉が通じないことの2点に不便を感じた人は多かったという。ふと思ったのは、2年後の東京オリンピック(五輪)のこと。日本はすぐにタクシーがつかまり、時間にも正確…だが、五輪期間中もそうだろうか。海外から来た人にも不便はないだろうか。首都圏では渋滞の問題も本格化するだろう。大あわてで走った平昌の寒空の下で、汗をかきながら考えた。【奥山将志】