初出場の坂本花織(17=シスメックス)が、6位入賞を果たした。シニア1年目ながら最終グループに名を連ねた。「そんな(メダルを)取れるほどのレベルじゃない。最初(1月)に言っていた1桁順位だったので、とりあえず良かったです」と胸をなで下ろした。終盤の3回転ループを除けば、納得できるジャンプを続けられた。

 昨年3月の世界ジュニア選手権で3位に食い込み、シニア転向後も五輪代表争いに加わった。トリプルアクセル(3回転半)習得間近だった15年秋に右すねを疲労骨折。ポーランド遠征から帰国後に「痛い」と初めて家族に漏らした。

 そのまま病院に直行し、氷から1カ月間離れる初めての試練。それでも3歳から通う「イトマンスイミングスクール」では体力を落とすまいと、手だけで泳いだ。同スクールの羽谷明美さん(48)は「心は折れるし、めげることもあるけれど、投げ出すことはしない」と粘り強さをたたえる。

 1つの節目を迎えた成長物語だが「しっかりと4年間やりこんで、次はSPもフリーも、自己ベストを更新したい」と腕を回す。追いかける存在がいる限り、その歩みは止まらない。【松本航】