国際オリンピック委員会(IOC)のバジェット医事部長は3日、韓国の平昌(ピョンチャン)で報道陣の取材に応じ、2014年ソチ冬季五輪におけるロシアの組織的なドーピングを受け、9日開幕の平昌五輪(オリンピック)では冬季大会で初めて検査所に24時間態勢の監視カメラを設置すると明らかにした。

 ソチ大会では下水道作業員を装ったロシア連邦保安局(FSB)職員が実行部隊となり、壁に開けた小さな穴を利用して、陽性反応を示す可能性があったロシア選手の尿検体を事前に準備した検体とすり替えた。今大会はソウルの検査所で受け取りから検査、保管まで監視下に置くという。

 同部長は平昌五輪の大会前検査は1万6000件超と公表し、重点的に調べられるロシア選手は「超えるべき基準が高い」と指摘。IOCがドーピング検査の不正防止を目的に新設した独立検査機関(ITA)は平昌大会で十分な準備が整わず、20年東京大会が監督する最初の五輪になるとした。