平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)に個人資格で参加している「ロシアからの五輪選手(OAR)」の広報担当者は20日、カーリング混合ダブルスで銅メダルを獲得した男子のアレクサンドル・クルシェルニツキー選手から、禁止されたメルドニウムが検出されたとするドーピング検査結果が確定したと発表した。19日に予備のB検体を分析し、最初に検査したA検体に続いて陽性反応が出た。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)の反ドーピング部門は国際オリンピック委員会(IOC)の要請を受けて裁定手続きに入っており、近く違反認定の可否や処分内容を判断するとみられる。

 OAR広報は声明で「非常に残念だ」とした一方、メルドニウムは日常的に服用しないと効果が出ないにもかかわらず、検査結果では1度服用しただけとみられるため「競技力向上には意味がない」と指摘した。1月22日以前に採取された検体は全て陰性だったとし、詳細を調査する方針も示した。

 本人はロシア・カーリング連盟の公式サイトでメルドニウムの使用を否定した。同連盟は声明で「何者かが選手の飲み物に禁止薬物を投入した疑い」を指摘し、ロシアの捜査機関に捜査を依頼したと表明した。

 IOCが24日の理事会でロシアの処分を解除するかどうかを検討することを踏まえ、声明ではロシア側がこれまでIOCや世界反ドーピング機関(WADA)に協力してきたと訴え、組織的関与はないと強調した。