2022年の冬季五輪開催国、中国の首都北京は、08年の夏季大会に続き史上初めて夏冬両方の五輪の舞台となる。中華民族の偉大な復興という「中国の夢」実現を掲げる習近平指導部では初の五輪開催。国威発揚の絶好の機会だが、前哨戦の平昌大会では中国選手団の成績は振るわず、4年後に向け重い課題を残した。

 中国の総メダル数は金1、銀6、銅2の計9個。「お家芸」を自負するスピードスケート・ショートトラックでは、男子500メートルで金メダル1個を獲得したものの失格が続出。優勝候補と見なされていたフィギュアスケート・ペアは僅差で銀に終わり、金メダル数で韓国や日本にも後れを取った。

 中国はもともと冬季競技人口が少なく、特定の種目を除き「基盤は弱い」(国家体育総局)。新華社電によると、これまでに夏季競技の選手から約300人を選抜して冬季競技に転向させたほか、30人余りの外国人コーチを招請。今大会の苦戦を受け、4年後に照準を合わせて選手育成を強化する構えだ。

 中国は08年の北京五輪で、世界をけん引する経済大国に成長した姿を国際社会に誇示した。22年は、習氏が共産党総書記として2期目の任期を終える年に当たる。長期的な権力維持を見据える習氏には五輪の成功を自らの功績にしたい思惑があり、政治的にも「負けられない大会」となる。