平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スノーボード男子ビッグエアの予選が今日21日から始まる。冬季五輪ではエア(空中技)が飛び出すたびに、テレビ中継では「キャブダブルコーク1080(テンエイティ)」など、やや難解な用語が飛び交う。競技をより楽しめるように、06年トリノ五輪スノーボード・ハーフパイプ(HP)代表の成田童夢氏(32)に解説してもらった。【取材・構成=松尾幸之介】

 言葉がわかれば、見える世界もガラリと変わる。HPで2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢が見せた連続4回転技は「フロントサイドダブルコーク1440(DC14)-キャブDC14」。こんな言葉も、スッと入ってくるようになる。

 ビッグエアは滞空時間が約3秒間のエア一発で勝負が決まるため、HPを超える難度の技が出やすい。成田氏の助けを借り、選手のスタンスから着地まで、チェック項目を表にまとめた。この表の流れに沿ってビッグエアを見ると、各選手がやろうとしていることが見えてくる。成田氏は「簡単に言えば、高く跳んで回転数が多く、着地が完璧であれば高い点数が出る。一発勝負の中で、選手の個性が出るのはグラブの位置や空中姿勢だと思う」と分析する。

 約36メートルの高さから滑り降りての大ジャンプ。選手は事故のリスクも承知でその場に立つ。知識をしっかり頭に入れて、平昌の空に舞う勇姿を見届けよう。

 ◆ビッグエア 今大会では高さ36メートル、長さ70メートル、傾斜45度の台から滑り降り空中技を競う。6人の審判が100点満点で採点。最高と最低を除いた4人の平均得点で順位を決定する。決勝は3回演技し、上位2つのスコア合計で競う。