14年ソチ・オリンピック(五輪)スノーボード女子パラレル大回転銀メダルの竹内智香(34=広島ガス)が24日、頂点に挑む。ソチ五輪決勝前には“元気の源”で大好物のスナック菓子「ハッピーターン」を食べて、スノーボード日本女子初のメダリストに輝いた。製造元の亀田製菓は金メダルを獲得した場合、5大会連続出場をねぎらい「ハッピーターン5年分」を贈呈することを明らかにした。
竹内が金メダルの「ハッピー」をつかみ取る。ソチ五輪決勝前は、控室で昼食代わりにハッピーターンを口にした。甘じょっぱい粉「ハッピーパウダー」で味付けされたせんべいをいつも通りパクリ。大舞台も関係ない。「元気になれる」との理由で好物を食べて、気を静めた。W杯ランク1位(当時)のクンマー(スイス)との決勝2本目。終盤で転倒して惜しくも敗れたが、スノーボード日本女子初のメダルをもたらした。
トップアスリートには珍しい大のお菓子好き。どんな環境でも、好きなものを食べて結果を残してきた。それが「強さ」でもあった。しかし五輪後、体調を崩したことをきっかけに野菜中心の食生活に改善し、嫌いな筋力トレーニングも取り入れた。全ては今大会を集大成と位置づけ、金メダルをつかむため。技術に加え、過去最高の肉体で平昌へ乗り込んだ。
4年前の出来事を知った亀田製菓は19日、金メダルを獲得したら「ハッピーターン5年分」を贈呈することを決めた。定番の30枚入り120グラム袋(参考小売価格220円前後)を1日1つ。5年分だと1825袋、5万4750枚になる。置き場に困ることも考慮し、希望次第で1度でなく定期的な発送も予定する。同社経営企画部広報の久保妙子さん(41)は「もし、今大会も竹内選手に食べていただけるのであればうれしい限り。勝負菓子となってもらいたいです」と悲願の金メダルに期待を寄せた。商品名の由来は、食べた人たちに幸せ(ハッピー)が戻る(ターン)ようにとの願いが込められている。ハッピーをつかむために、5度目の大舞台が幕を開ける。【峯岸佑樹】
◆ハッピーターン 亀田製菓(本社・新潟市)が1976年(昭51)に発売した洋風せんべい。米を主原料として焼き上げ、独特の風味の調味粉ハッピーパウダー(通称ハピ粉)をまぶしている。「亀田の柿の種」に次ぐ売り上げで、ここ10年間で2倍以上。現在は限定品などを含め30種以上を製造。近年、芸能人がテレビ局の楽屋にある「好きなお菓子」としてSNSでアップするなどして注目された。芸人ペナルティのヒデや北斗晶らもファン。若者にはキャラクターのターン王子も人気。
◆竹内智香(たけうち・ともか)1983年(昭58)12月21日、北海道生まれ。北海道・クラーク記念国際高卒。14歳で競技を始める。02年ソルトレークシティー大会から冬季五輪5大会連続出場。14年ソチ五輪銀メダル。15年世界選手権銅メダル。趣味はアウトドアスポーツ。実家は旅館「湯元湧駒荘」を営む。165センチ、61キロ。血液型A。