女子1000メートルで銀メダルを獲得した日本のエース小平奈緒(31=相沢病院)が再び頂点に挑む。16年シーズンから24連勝中の500メートルは今日18日に行われ、世界記録保持者でオリンピック(五輪)2連覇中の李相花(28=韓国)との頂上決戦を迎える。17日は会場リンクで最終調整。スピードスケート日本女子初の金メダルへ、意地の滑りを見せつける。

 ライバル2人は、顔を合わせることなくレースに備えた。小平が午後6時半にリンクに上がったのに対し、李は同1時から調整。互いに報道陣への対応はせず集中力を高めながら足早に会場を後にした。

 「最速」をかけた頂上決戦だ。今季のワールドカップ(W杯)では、小平が制した7戦のうち、5戦は李が2位に入った。2強の構図は明確だ。李は14年ソチ五輪後、慢性的な膝の痛みに苦しんできたが、今月3日に今季の低地の自己ベストとなる37秒18の好記録をマークするなど調子も上向き。1000メートルを回避し、地元での500メートル3連覇に向けしっかりとピークを合わせてきた。

 過去2度の五輪とは異なり、迎え撃つ立場の小平も、「ずっと上にいた存在。競い合えているのが幸せ」と、背中を追いかけ続けてきたライバルへの意識は強い。今季は李が13年に出した36秒36の世界記録更新を大きなテーマに掲げてきたが、36秒50が最速に終わり、悔しい思いも味わった。

 日本人女子初の頂点に向け、確実にステップを踏んできた。500メートルで金メダルを取るための「方程式」と掲げたのが「1500で入賞、1000で表彰台」。結果は6位、銀メダルと、言葉通りの結果で最も得意とするレースを迎えた。金メダルを逃した1000メートルのレース後は映像を見直し「いつもの滑りではなかった」と2日間の練習で修正を重ねた。日本のエースが「世界一」の座に就く時が来た。【奥山将志】