女子団体追い抜きの世界記録を持つ日本(高木美帆、佐藤綾乃、高木菜那)が、決勝で2分53秒89の五輪新記録をたたき出し、前回ソチ五輪覇者のオランダを下し、同種目初の金メダルを獲得した。

 オランダに1秒58差をつけてフィニッシュした。大黒柱の高木美帆は両手を突き上げてガッツポーズをつくった。サングラスの下の顔は、ゆがんでいた。

 高木美帆は「本当に今回の優勝はチーム全員の力がないと成し遂げられなかった金メダル。みんなで取れた金メダルで感無量です。最初は少し気持ちが入りすぎてとばしすぎたかなと思ったけど、2人がうまくつないでくれて、うまくまとめることができて良かった」と声を上ずらせた。

 姉の高木菜那は、レース前にコーチから「五輪で最高のレースをして楽しんでこい」と託され、メンバーに「自分の滑りに集中しよう」と鼓舞した。姉妹での金メダルは、夏冬通じて日本勢初の快挙だった。

 4位でメダルを逃した前回のソチ五輪後、所属の垣根を越えてナショナルチームが発足した。1年で約300日の練習をともにし、一糸乱れぬ脚の運びや、減速を抑える先頭交代の技術を磨いた。

 高木美帆は、日本女子では史上初の金銀銅の全色メダルとなったが「3種目(メダルを)そろえるとかではなく、このチームでこの大会で勝ちたい気持ちだけで走った」とフォア・ザ・チームを強調した。

 フラワーセレモニーでコールされると、高木美帆、佐藤綾乃、高木菜那、菊池彩花の4人は全員で手をつないで最高の笑顔を見せた。