メダルラッシュが続くスピードスケートは、今日24日の男女マススタートが最終種目となる。「氷上の競輪」とも評される今大会からの新種目で、1周400メートルのリンクを16周滑り、着順により順位を決める。日本は男女それぞれ2人が同日の1回戦から出場し、締めくくりの表彰台を狙う。競技のルールや見どころ、レースのポイントを本誌評論家の青柳徹氏(49=日体大監督)に聞いた。

 -順位の決め方は

 4周通過ごとに中間ポイント(5、3、1点)が与えられ、ゴール順位の最終ポイント(60、40、20点)との合算で順位を決めます。12人から8人が決勝に進む1回戦では中間ポイントが重要になりますが、決勝では最終ポイントの比重が高いため、表彰台は見たままの着順で決まります。

 -見どころは

 レースごとにまったく展開が異なります。個人能力が高くても、集団の中でそれが発揮できない場合や、転倒のリスクも高い種目です。予測が難しい一発勝負。それがマススタートの面白さです。

 -求められる技術は

 長い距離を滑る能力はもちろんですが、通常のコースの内側にある練習レーンを使用するため、ショートトラックのような急なカーブを攻略する技術、位置取りを含めた駆け引きも重要です。また、スピードの上げ下げへの対応力も鍵になります。

 -日本の戦いは

 基本的には、個人種目ですが、日本は「チーム戦」という考え方で戦います。これまでのW杯でも、2人で縦の隊列を組み、1人が風よけになり、最後に体力を温存していた後ろの1人が飛び出すという作戦も使ってきました。決勝に2人が残ることもメダルへの重要な要素となります。

 -女子はメダルも期待されている

 出場を予定している佐藤と高木菜は団体追い抜きの金メダルメンバーですし、チームワークは他国より上です。ショートトラック出身で昨年の世界距離別を制した金ボルム(韓国)、今回の五輪の5000メートル5位のブロンディン(カナダ)らがライバルになるでしょう。2人には、怖がらずに思い切った良いレースをしてほしいです。