日本が3-0でアルゼンチンを下し、準々決勝に進出した。この一戦を、インドアとビーチバレーで五輪4大会連続入賞の高橋有紀子さん(48)が分析した。

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 実力的には日本が上だと思っていましたが、アルゼンチン戦ではようやく重しが取れたというか、選手の体が軽くなった感じがします。出だしは硬かったですが、ブロックのワンタッチも取れて、しっかりつないでスパイクを決められました。初戦の韓国戦で敗れて波に乗りきれなかったチームが、自分たちのリズムを取り戻しました。

 最多の18点をマークした石井優希選手は、サーブレシーブもよくなって、感覚が戻ってきたのかなと思います。2セット目の序盤、中央に切れ込んで決めた場面がありました。彼女は自分で積極的に動くことで相手をかく乱できる選手。待って打つだけではブロックにつかまってしまいます。自分の持ち味が出せたことでリズムに乗ってチームに勢いをつけましたね。

 迫田さおり選手もいい働きをしています。サービスエースやブロックもあって計11得点。苦しいときに出てくることが多いんですが、決めるとチームがパッと明るくなるし、盛り上がる。雰囲気が良くなりますね。

 準々決勝の相手の米国は強いですが、絶対に勝てない相手でもありません。攻撃的なサーブで崩して、レシーブで粘って拾っていく。ミドルの攻撃を効果的に使い、ブロックフォローなど細かい部分も忘れず、それぞれが自分の役割をこなしてチームとして120%の力を出すことです。期待しましょう。


 ◆高橋有紀子(たかはし・ゆきこ)1967年11月12日、長野県須坂市生まれ。墨坂中でバレーボールを始め、エースアタッカーとして全国制覇。八王子実践高に進みセッターとして大林素子らとともに春高バレー準優勝。86年日立に入団し、日本代表として88年ソウル五輪(4位)、92年バルセロナ五輪(5位)出場。ビーチバレーに転向し、96年アトランタ五輪(5位)、00年シドニー五輪(4位)出場。168センチ。