【リオデジャネイロ9日(日本時間10日)=三須一紀】日本のアニメ文化はブラジルでも大人気だった。日本アニメに関するイベント数が世界で最も多いという(日本を除く)。ブームの理由に迫った。

 ワンピース、聖闘士星矢、セーラームーンなどのフィギュアが「INSTITUTO JAPAO POP BR」社のオフィスに入るとすぐ、整然と置かれていた。

 ペドロ・ガルバリオ社長(28)は「米国アニメの主人公はみんなスーパーヒーローで近づけない。でも日本の主人公は普通の生活が垣間見えて親近感がある。それが人気の理由さ」と語る。「ドラゴンボールの孫悟空はヒーローでは?」と聞くと「彼も子どもを育てて、普通にご飯を食べて、自分たちと同じように生活している。バットマンがそんなことしているのは想像できない」と解説した。

 日本イベントの単独開催規模としてはパリの「JAPAN EXPO」には劣るが、イベント数が最多なのがブラジルだという。09年に同国の出版会社が調べたデータによると、1年間で175回ものイベントが開催され、リオだけで19回開かれている。

 ブラジルに日本アニメの扉を開いたのが80年代後半から90年代中盤に「週刊少年サンデー」で連載していた「らんま1/2」だという。今では、日本アニメの新刊が月に約40本発売されるほどの人気ぶりだ。

 人気トップ5のアニメを聞くと「ドラゴンボール」「デスノート」「ブリーチ」「ワンピース」「るろうに剣心」を挙げた。主人公がブラジルでプレーした点から「キャプテン翼」も人気だという。

 ガルバリオ社長には夢がある。「東京五輪までに、もっと多くの日本文化をブラジルに入れたい。漫画家やアニソン歌手をどんどん呼びたい」。現在、日本在住の日系人を通して、関連企業に猛アプローチ中。玩具などのエンターテインメント事業「バンダイ」やゲーム会社「カプコン」「スクエア・エニックス」などと「ぜひ仕事がしたい」と語る。

 「今は日本で古くなった漫画や映画が来る。そうではなくて、新鮮なうちに持ってきたい」。描くビジネスモデルは商社的に物を転売するのではなく、あくまでも「コミックマーケットなどのイベントを開催して日本文化を広めたい」と語り、もうけはイベントブースの賃料と考えている。

 「日本も経済的に大変と聞いている。ブラジルでは日本アニメはまだまだ伸びる。商売拡大にはラテン・アメリカですよ」と、最後まで売り込んでいた。