8月5日開幕のリオデジャネイロ五輪で、24日に正式オープンしたばかりの選手村に、選手団からの不満が噴出している。オーストラリア・オリンピック委員会(AOC)は選手を当面は入村させない方針を発表し、国際オリンピック委員会(IOC)も大会組織委に対策を指示する事態となった。

 オーストラリアのキティ・チラー団長の抗議声明には、世界のトップ選手を迎える環境とは程遠い言葉が並んだ。トイレは流れず、階段の吹き抜けは真っ暗。電気配線もむき出しで、床は「大規模な清掃が必要な汚さ」と指摘。複数の階で同時に電気を使い、トイレを流すテストをしたところ壁から水が漏れ、異臭が漂ったという。AOCは近隣に代替の宿泊施設を確保した。

 日本選手一番乗りで24日に入村したカヌー・スラローム男子の矢沢一輝(善光寺大勧進)は「足の裏が汚れた」と話し、早速床の雑巾がけを強いられた。日本選手団の橋本聖子団長は、改善が望めない場合は一部の選手に支援スタッフ用に確保しているホテルを使わせることも検討している。

 一方、選手村村長を務める元バスケット女子ブラジル代表のジャネト・アルカインさんは「3日以内には問題を解消する」と改善を約束した。