国ぐるみのドーピングで揺れるロシアのリオデジャネイロ五輪参加問題で、当初編成された387人の選手団のうち、各国際競技連盟(IF)から26日までに競泳の7選手、カヌーの5選手、ボートの22選手らが出場資格を満たさず除外された。国際陸連からチーム参加を禁じられた陸上67選手を含めると、少なくとも100選手以上が五輪に出られない見通しだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)は24日の緊急理事会で、ロシアをリオ五輪から全面排除する厳罰を見送った。8月5日の五輪開幕に向けてドーピング違反歴がないことなど厳しい条件を設けた上で、IFに出場可否を巡る判断を委ねた。しかし違反歴があることから五輪出場が認められなかった競泳女子のユリア・エフィモワ選手がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する見通しで、決定を不服とする各選手の動きが次の焦点となりそうだ。

 今回のIOCの措置は過去に受けた処分を根拠に追加処分を科す「二重制裁」に当たる可能性があり、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の判例に反しているとの指摘もある。IOC幹部は「推移を見守るしかない」との姿勢を示したが、五輪開幕まで短期間でさらなる混乱も予想される。