リオデジャネイロ五輪開幕を控えるブラジルで今年、ジカ熱に続き、豚インフルエンザウイルスに起因するH1N1型のインフルエンザが流行し、選手団や観戦客らに懸念が広がっている。

 感染のピークは越えたもようだが、既に1300人以上が死亡、感染者数は依然高水準にあり、地元当局は引き続き注意を呼び掛けている。

 世界保健機関(WHO)やブラジル保健省によると、今年のH1N1型の感染は2月に広まり始め、例年にないペースで拡大。3月中旬ごろにピークを迎え、政府が5月に予防接種受診を呼び掛けた後も高い水準で推移している。7月初旬までに全国で7354人が感染、1357人が死亡した。

 このうちリオデジャネイロ州は感染162人、死者47人で、隣のサンパウロ州の感染3173人、死者571人に比べると少ない。しかし、サンパウロはブラジルのゲートウエー(玄関口)で、経由してリオに入る旅行者も多いほか、五輪のサッカー競技会場の一つにもなっている。