国ぐるみのドーピングがあったロシアのリオデジャネイロ五輪参加問題で、国際柔道連盟のマリアス・ビゼール会長は26日、同国がエントリーした11選手全員がリオデジャネイロ五輪に出場すると語った。ロイター通信が報じた。

 国際カヌー連盟(ICF)は世界反ドーピング機関(WADA)調査チームの報告書で指摘された違反に関与した5選手の除外を発表。2012年ロンドン五輪の男子スプリント・カヤックペア200メートル金メダルのアレクサンドル・ディヤチェンコ選手も含まれた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は24日、ロシアをリオ五輪から全面的に締め出す処分を見送り、ドーピング違反歴がないことなどを条件に、選手の出場資格があるかの判断を各国際競技連盟(IF)に委ねた。各IFは8月5日のリオ五輪開幕に向けて手続きに着手した。

 25日にはロシア・オリンピック委員会のアレクサンドル・ジューコフ会長が、五輪に出場予定だった13選手が違反歴を理由に除外対象となる見通しを明らかにした。水泳、自転車、重量挙げ、レスリング、ボートの選手が含まれる。AP通信が報じた。国際バレーボール連盟(FIVB)は男女のチーム出場へ前向きに対応することを明らかにした。国際トライアスロン連合(ITU)もロシア6選手の出場を認める方針を示した。

 バレーボールのロシア男子は前回のロンドン五輪で金メダルを獲得し、女子もメダルの実績がある強豪国。FIVBは「ロシア選手も他国と同じレベルで国外での検査を受けている」と説明した。ボクシング、卓球、セーリングは精査中とした。これまでにテニスとアーチェリーで参加が認められ、馬術も容認している。

 一方で、国際水泳連盟(FINA)からリオ五輪に出場できないと発表された7選手の1人で、競泳女子のユリア・エフィモワ選手や、国際ボート連盟(FISA)から出場資格がないと発表された3選手のうち2人が、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴を検討しているとAP通信などが報じた。