ベイカー茉秋(21=東海大)がバルラム・リパルテリアニ(27=ジョージア)に優勢勝ちし、日本人同階級初の金メダルを獲得した。今大会の日本男子では73キロ級の大野将平に続き2人目の頂点となった。

 序盤からしっかりと組み合い、得意の大内刈りなどで攻めた。2分17秒には大内刈りで有効を奪った。その後も技を出しながら、うまく試合を運び、指導2を受けたものの逃げ切った。

 勝利が決まった瞬間は、両手を突き上げて笑みを見せた。畳を降りてもスタンドからの声援に笑顔で応えた。「今日の戦いというか、これが小さいころからの夢だったので。井上(康生)監督がオリンピックチャンピオンになったのを見て柔道を始めたので、それを達成できてうれしいです。(井上監督には)一番オーラがあると言われた。結果が出て良かったです。まだ実感がないんですけど、すごくうれしいです」と振り返った。

 表彰式では晴れやかな表情で日の丸が掲げられるのを見つめた。記念撮影で場内を回るときも自然と笑みが出た。「(メダルをかけて日の丸掲揚を見て)もう幸せです。このオリンピックを機に柔道人気を爆発させようと思っていたので、バシッと一本で決めたかったんですが、仕方ないですね。(井上監督からは)『よくやってくれた』と言われたので、勝って今までの恩を返せてよかった。次は東京オリンピックで連覇したいと思います」と、早くも東京五輪への決意を語った。