山部佳苗(25=ミキハウス)が今年の欧州王者カイラ・サイト(28=トルコ)に優勢勝ちし、銅メダルを獲得した。日本女子は今大会の全7階級中5階級でメダル獲得となった。

 開始23秒に大外刈で技ありを奪い、先手を取った。試合中盤に組み手争いで相手の手が左目に当たり、コンタクトレンズがずれて試合が中断。その後は奥襟を取って攻める相手に押し込まれる苦しい展開。体力的に厳しくなった後もあきらめず相手の技をしのぎ、指導3を受けながら逃げ切った。

 試合後は全力を出し切った安堵の表情。「準決勝でもっと自分の柔道ができたんじゃないあという悔いがあるので、残念です。(3位決定戦は)絶対メダルを持って帰るという気持ちで頑張りました。今までやってきたことに悔いは残っていないですけど、もっとここで表現できたんじゃないかなと思います。(薪谷コーチには)本当は金メダルでお礼したかったんですけど、残念です」。表彰式でも終始硬い表情だった。「優勝した選手が喜んでいるのを見て、悔しい気持ちが強くなりました」と目標の金メダルを逃したことを強く感じた。

 表彰式を終えて、銅メダルを見つめ「この4年間やってきたことの積み重ねが、このメダルだと思うので、その点は良かったと思います。薪谷コーチと二人三脚でやってきたので感謝しています。(今大会は)ちょっとほろ苦い思い出になりました」と振り返った。

 それでも重量級でのメダルをつなぐという役目は果たした。「絶対取り逃してはいけないと思っていたので取れて良かったです。代表に決まってから日本を出るまでは、やり残したことがないようにとやってきました。やってきたことはできたかなと思います」と前を向いた。