【アラカジュ(ブラジル)24日(日本時間25日)=木下淳】合宿中のリオデジャネイロ五輪代表が初めて実戦形式の練習を行い、オーバーエージ(OA)枠で選ばれたFW興梠慎三(29=浦和)が4-2-3-1システムの1トップ、FW浅野拓磨(21=アーセナル)がトップ下で試された。

 OA合流後、初めて11人を並べたフォーメーション練習。計5本の中で興梠だけが1トップから1度も動かなかった。ボールを収めたり、裏に抜けてDF植田のパスを引き出してオウンゴールを誘発したり。興梠を軸に攻撃を組み立てた。

 手倉森監督は「やっぱり慎三はターゲットになりうる。間違いなく、ボールを奪った後の速さと質を上げてくれる」と手応えをつかんだ。興梠も「最初にしては良かったかな。まずは監督が求める、ボールを収めてあげる動きが大事。キープして押し上げを待ちたい」と、23歳以下の推進力を引き出す。浅野も「慎三さんにボールが入ったら動きだしたい」と思い描いた。

 それでも、実質初日とあって手探り状態だ。興梠がタイミングのずれについて要求する場面を見るや「話し合ってほしいし、自分も細かい部分を注文した」と指揮官。浅野も「まだ動きがかぶる時がある」と課題を見つけた。11日後の本大会開幕まで細部を詰め、慎三がチームの心臓になる。