リオデジャネイロ五輪日本代表ＦＷ久保裕也（２２）が、所属するスイス１部ヤングボーイズから五輪への派遣を拒否されている問題で、久保が本大会に出場できる可能性が出てきた。

　交渉のため緊急渡欧していた日本協会の霜田正浩技術委員（４９）が２９日、スイスからブラジルに戻って報道陣に対応。ＦＷに負傷者が出たヤングボーイズが２７日、一方的に公式サイトで派遣拒否を表明していたが「条件次第では招集に協力してもらえる、というところまで差し戻してもらいました」と、拒否の姿勢を軟化させることに成功した。

　現地でスポーツディレクターのピッケル氏と交渉。３０日のスイスリーグ第２節のルガノ戦の結果を待って、３１日に再協議する状況まで押し戻した。そこで新たな負傷者が出るかどうかが１つの焦点になりそうで、霜田氏は「レギュラー級に、けが人が７人も出ているため彼らは派遣が難しいと言っていた。ただ、こちらも久保選手に来てほしい。久保本人も五輪出場への強い思いがある。いろんな話をして、派遣の可能性が復活した」と説明した。

　８月３日には欧州ＣＬ予選３回戦の第２戦シャフタル・ドネツク（ウクライナ）戦も控える。ここまで決断を引っ張るのかも不透明な状況だが、いずれにしても、日本協会としてはルガノ戦の結果を待ち、招集に向けて全力を尽くすことを手倉森監督とも確認した。