弱冠20歳でナイジェリア代表の8番を背負うMFオグヘネカロ・エテボが、日本の前に立ちはだかった。

 立ち上がりから乱打戦の展開の主役になった。1-1の前半10分に左クロスを胸トラップから左足で決めて勝ち越し。1分後に日本がFW南野拓実(21=ザルツブルク)のゴールで追いつくものの、同42分にエテボが突き放す。右からのクロスに右足シュート。1度は外すものの、日本DF植田直通(21)のクリアミスを右足で蹴り込んだ。さらに後半6分にはPKを決めてハットトリックを達成。後半21分には4得点目と、好き放題だった。試合当日に米国からブラジル入りする強行軍をモノともしなかった。

 今季ポルトガルリーグ2部から1部へ昇格したフェイレンセでプレー。ナイジェリアリーグのウォルブスに所属していた2年前の14年夏には、セリエAウディネーゼに練習参加したが、移籍金交渉でまとまらず、母国へとんぼ返りした苦労人だった。

 しかし15年12月のU-23(23歳以下)アフリカ選手権で才能を開花させた。決勝のアルジェリア戦での2得点を含む7戦5発の大活躍でアフリカ王者へ導くと、この年の最優秀若手選手に選出。欧州のビッグクラブへ数々の選手を輩出してきたナイジェリア期待の星が、五輪の舞台で世界へアピールした。