ブラジル全土が歓喜に沸いた。決勝でブラジルが五輪初優勝を決めるとリオデジャネイロ市内では続々と花火が上がり、街は興奮に包まれた。「国が1つになった」。政治や経済の混乱を吹き飛ばす悲願達成を人々は抱き合って喜んだ。

 試合があったマラカナン競技場にとどまらず、リオ市内はブラジル代表の黄色いユニホームを着た人々の姿が目立った。市中心部のパブリックビューイング会場では観客らが手にしたビールを空中にまき散らし、喜びは最高潮に達した。会社員のアリウソン・ペナさん(41)は「とても苦しかったけれど、最後に笑う展開はブラジル人(の生き方)そのもの」。看護師のロベルト・ワギネルさん(29)も「五輪で国民が団結した」。

 別の競技が行われた五輪スタジアムの観客席からも勝利の瞬間どよめきが起きた。人々は目に涙をため「私はブラジル人。それが誇りだ」と合唱した。