リオデジャネイロ五輪の競泳女子平泳ぎ100メートルと200メートルで銀メダルを獲得したロシアのユリア・エフィモワ(24)は、ロシアの薬物問題の象徴的存在としてブーイングを浴びるなど、冷たい視線の中で泳ぎ続けた。

 競技後の11日、記者団に対し、自分を非難した人々からの「謝罪を待っている」と訴えた。同国メディアが伝えた。

 エフィモワは過去の違反歴を理由に国際水泳連盟が出場を認めなかったが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定で開会直前に参加可能に。

 「1年のほとんどを米国で練習している」と強調し、ドーピングと無縁だと主張。「満足に眠れず(出場決定までの)3週間以上はひどい状態だった」と涙も見せた。

 平泳ぎ100メートルで優勝した米国のキングが「クリーンな選手として戦えた」とエフィモワを皮肉る発言をしたことをどう思うかと記者団に問われると「それなら彼女は(史上最多の五輪通算金メダル数を誇る米競泳男子)フェルプスのことをどう言うのかしら」と切り返した。

 フェルプス選手は2009年、大麻吸引疑惑で米水泳連盟から大会出場停止3カ月の処分を受けている。