陸上の19年世界選手権男子100メートルで金メダリストを獲得したクリスチャン・コールマン(24=米国)の東京オリンピック(五輪)出場が絶望的となった。世界陸連の独立部門「インテグリティー・ユニット(AIU)」が27日、22年5月まで出場停止とする処分を発表した。

コールマンは抜き打ちのドーピング検査に必要な居場所情報の申告を、昨年1月、4月、12月と、3度怠っていた。それによりドーピング違反と同様の扱いとなった。今年6月に暫定的な資格停止処分を科されていた。

今回の決定を受け、コールマンは納得がいかない場合、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てることができる。

コールマンは驚異的なスタートダッシュが武器で、100メートルの自己記録は9秒76。60メートルでも6秒34の世界記録を持つ。19年世界選手権では銀メダルのジャスティン・ガトリン(38=米国)に0秒13差という圧勝。400メートルリレーでも第1走者として米国の金メダルに大きく貢献した。17年世界選手権でも100メートルと400メートルリレーで銀メダルを獲得。ウサイン・ボルトに次ぐ、スプリント界を担う存在として期待されていた。

男子100メートルは五輪の花形種目。その舞台に、金メダル最有力候補だった男が、立つことは極めて厳しくなった。