東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子新会長(56)は相撲界からも熱視線を送られている。実は、橋本会長の父の弟の妻の姉の夫が第43代横綱吉葉山だ。縁をたどっていくと、第69代横綱白鵬にまでたどりつく。

橋本会長の父善吉さんの弟善郎さんは、高島部屋の元幕下力士「高葉山」だった。兄弟子だった吉葉山は引退後に8代宮城野親方となり、善郎さんは引退後、宮城野部屋のマネジャーになった。その後、おかみさんの妹=8代宮城野の妻の妹と結婚した。こうした縁で、吉葉山と橋本会長は親戚になった。

約50年前、マネジャーを務めていた善郎さんにスカウトされたのが、白鵬の師匠、12代宮城野親方(元幕内竹葉山)だ。

宮城野親方は、中学2年時に福岡まで善郎さんが来たことを覚えている。「橋本さんが来てくれて、そのまま近くの旅館で食事をして、そのまま『行こうか』と言って、飛行機に乗った。『下着をちょっと持ってくればいいから』と言われて」。わけが分からないまま、上京したという。

そういう縁もあり、橋本会長が現役だった当時、五輪に出るたびに応援してきたという。

善郎さんは元吉葉山の宮城野親方が57歳で亡くなると、角界を離れて都内で焼き鳥店を始めた。その後も本場所を観戦に訪れたり、宮城野親方が焼き鳥を食べに行ったりと付き合いがあったという。橋本会長は日本スケート連盟会長だった17年1月に宮城野部屋の朝稽古を見学するなど、叔父をきっかけにした交流は今も続いている。

橋本会長は1964年東京五輪の年に生まれ、白鵬の父はその五輪にレスリング選手として出場した。こうした縁もあいまって、宮城野親方は橋本会長の手腕に期待している。

「あれだけちゃんと悪いものは悪いと言える人はなかなかいないと思う。あの人しかいないと思った。うちの部屋はみんな応援していますよ。横綱も知っています。あの人ならやってくれると思う」

師匠のおかみさんの義弟のめいにエールを送った。【佐々木一郎】