日本オリンピック委員会(JOC)に史上初の「20代理事」が誕生することが14日、分かった。18年に26歳で引退したフィギュアスケート女子ペア選手で、14年ソチ五輪に出場した高橋成美さん(29)。関係者によると、10日のJOC理事会で次期理事候補者に推薦され、承認を得た。25日の評議員会に諮られて正式に決定した後、発表される。

05年に当時34歳で理事に就いた小谷実可子さんがこれまで最年少だったが、さらに若い29歳。昨年、理事の在任期間を原則5期10年までとして新陳代謝を促進し、顔ぶれに多様性を持たせたいJOCにとっても象徴的な登用になりそうだ。

新たな理事候補は、6月の役員改選に向けて役員候補者選考委員会が人選。4度の会議の中で、高橋さんは自身も属するJOCアスリート委員会から推薦された。小中学校時代、父親の転勤で中国に住み同国語が堪能。日本ペア初のジュニアグランプリファイナル優勝、世界選手権銅メダル獲得などの海外活動や慶大総合政策学部で磨いた英語も得意で、日本の課題である若手の国際スポーツ人材育成や22年北京五輪も見据えた活躍が期待されている。

30人のうち女性は8人増の13人で、比率は目標の40%を超える43%に達する見通し。新任は17人で、国立スポーツ科学センター(JISS)の土肥美智子医師や98年長野五輪スキージャンプ団体金メダリスト原田雅彦氏、元フェンシング女子日本代表で心と体の性が一致しないトランスジェンダーの杉山文野さん、鈴木大地前スポーツ庁長官らの起用も既に判明している。