東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長(83)が6日、同副会長を務める遠藤利明衆院議員(71)が都内で開いた政経セミナーに出席し、大会を無観客で開催すべきとの考えを示した。

昨年3月に史上初の大会延期が決まってから今年2月に辞任するまでの間に「いろんな案を考えてきました」とした上で「最大の問題は観客。早くから無観客だっていいんじゃないか? と言ってきた」と明らかにした。

続けて「お客さんに見せるためだけに五輪はあるんじゃない。一生懸命、努力をしてきたアスリートのためにある。アスリートファーストで選手のことを考えて。すべてを犠牲にしてきた選手のために」と強調。開催可否については「やめることは、言うことは簡単だけど簡単な話ではない」と中止を否定したが、コロナ禍の中での実施について「私は早くから無観客について、その予定で物事を立てていった方がいい、と申し上げてきた」と述べた。

大会関係者によると、森会長は昨年末から国際オリンピック委員会(IOC)に同様の意見を伝えていたという。