8日に成田空港に到着した2016年のリオデジャネイロオリンピック(五輪)で金メダルを獲得した7人制ラグビー男子チームを含むフィジー選手団51人が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で民間航空機ではなく、冷凍魚と一緒に貨物機で来日したことが明らかになった。

米ニューヨーク・タイムズ紙によると、コロナ禍で太平洋諸島を離着陸する民間機の航空便が大幅に減少していることが原因で選手たちの移動手段が確保できず、主に冷凍の魚を輸送する定期貨物便を利用せざるを得なかったという。

当初はオーストラリアからの直行便で東京入りする予定だったが、アジアの新型コロナに関連する感染対策の規制によって変更を余儀なくされたという。「満載の冷凍魚と一緒に日本へ」と同紙は伝えているが、機内には選手たち用の座席が設置され、座るスペースは確保されていたという。選手団には他にラグビー女子チームと競泳選手2名に卓球と陸上の選手もいる。

フィジースポーツ協会・国内オリンピック委員会のロレイン・マール会長は、選手たちの移動の手配は「難題」だと語り、帰国便の目途もまだ立っていないと話している。

国際オリンピック委員会(IOC)は、出場した最後の試合が終了してから48時間以内に選手村を退村するよう求めているが、一部の選手は試合終了後すぐに帰国便を確保できない可能性があるとし、IOCに特例を認めて欲しいとコメントしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)