大相撲の横綱白鵬(36=宮城野)が7月28日、東京オリンピック(五輪)の柔道会場である日本武道館に姿を見せ、男子73キロ級の金メダリスト大野将平や国際柔道連盟(IJF)のビゼール会長と記念撮影し物議を醸していた件について、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は無関係を強調した。

3日、都内のメインプレスセンター(MPC)で定例会見に出席した高谷正哲スポークスパーソンが事実確認の問いを受け「組織委の関係者としていらっしゃったものではない」と明言した。

続けて「NOC(各国・地域オリンピック委員会)関係者としては、会場にアクセスできる可能性はある」と説明。白鵬はモンゴル五輪委のアンバサダーを務めているが、高谷氏は「どういった立場かは組織委では把握できていない」とした。

ゲストパスの発行に関して、ほかにどのような方法があるか尋ねられると「お伝えできるのは、少なくとも組織委の関係者として、いらっしゃったことではないと確認できたこと。それ以外で、NOCの関係者という形でいらっしゃったのかもしれない。その可能性はあるということ」との回答を重ねた。

バブル外の人物が選手に接近することは問題にならないのか、との質問には「(今大会はフィジカル)ディスタンスのルールが明示されており、アスリートに対しては、いっそうの配慮が必要。アクセスされるのであれば(接触)15分以内や2メートルの確保、マスク着用が求められる」と返し、今後の注意や処分については「組織委としては検討していない」とした。

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は前日、報道陣の電話取材に応じ「常識、非常識が全く分かっていない。決められたルールを守ってない。ルール破りの常習だよ。大きな問題だよ。(コロナ感染が)大変な状況なんだから勘違いとは違う。そんな、やさしいもんじゃない。決まりごと、それも国の中の決まりごと」と厳しく断じていた。【木下淳】