東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が、グランドフィナーレで「復興五輪」への思いを前面に押し出した。

秋篠宮皇嗣殿下のご臨席への感謝を述べた後、スピーチの序盤で、東京大会のテーマであった東日本大震災からの復興を強調。「私たちの旅は、今、終わりを迎えようとしています。長い旅路の最後となった東京パラリンピックは、全ての会場が笑顔であふれていました」と前置きした上で、こう続けた。

「メダリストの笑顔に添えられたブーケは、東日本大震災の被災地で育てられた花から造られました。選手村では、被災地の食材を使った和食を楽しんでいただきました。ともに、困難を乗り越えた人たちの不屈の精神が込められているからこそ、この舞台でいっそう輝いたと思います。この輝きを、復興の道を照らす光として、さらに前へ進めて参ります」

7月14日に発表された、五輪も含めた開閉会式4式典のコンセプトから「復興五輪」の2文字が消えていた中、かねて「復興への貢献は東京大会の源流」と力を込めてきた橋本会長が、こだわりを最後の最後に示した形だ。