東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が、閉会あいさつで「オリンピックとパラリンピックがあって良かった。私は、その価値を信じます」と述べた。スピーチ終盤に、開催も危ぶまれながらグランドフィナーレを迎えた東京2020大会への思いを文面に盛り込んだ。

新型コロナウイルスの流行が収まらない中、世界中から集まった163チーム4405人のパラリンピック出場アスリートに対しては「(招致した)約8年前にお約束した『おもてなし』を感じていただけたのではないでしょうか。皆さんの圧倒的なパフォーマンスに心が震えました。確固たる信念と、強い覚悟という土台の上に、幾重にも努力を積み重ね、決して自らの限界をつくらない姿を見ました。皆さんが歩んできた長く険しい道は真っすぐに、そして重く、私たちの心を揺さぶりました」と感服の念を届けた。

そして「パラリンピアンの躍動は、私たちに届けられたメッセージです。その姿に、多くの人がここから何かを始めようと思いました。私たちはたくさんの気付きと、自らを見つめ、未来を創造する力をいただきました。変化は気付きから始まります。互いの違いを認め、支え合い、いかなる差別も障壁もない、多様性と調和が実現した未来を必ず、つくる。この決意が社会の変革の契機となることを誓い、私たちは、さらに歩みを進めます」と不屈の選手たちを前に約束していた。