18年ジャカルタ・アジア大会銅メダルの山田美諭(27=城北信用金庫)が劇的な逆転で準々決勝進出を決めた。

初戦となる2回戦で台湾のポーヤー・スー(22)と対戦。相手の長いリーチに苦しみ、第2ラウンドまで3-7の劣勢。最終3ラウンドも残り1分10秒で6-9と3点を追う展開だった。

この土壇場で、得意の左が力を発揮。残り1分6秒から中段蹴りを決め、1点差に迫った。そして、残り40秒でも中段蹴りが入り、逆転。この試合初めてリードを奪うと、逃げ切った。

16年リオ五輪の最終選考会では右膝の靱帯(じんたい)を断裂。「自分が出る」と自信はあっただけに喪失感も大きかった。「辞めよう」と思ったことがあったが、周囲の支えもあり、競技を続行した。たどり着いた東京オリンピック(五輪)へ向けて、3月からは女子57キロ級代表の浜田真由(27=ミキハウス)と共同生活。味の素ナショナルトレーニングセンターで長期合宿を敢行しながら、2人で過ごす時間を共有し、精神的にも支え合ってきた。念願だった五輪の舞台で、苦しみながら、まず1勝をあげた。

午後2時からの準々決勝ではテコンドーの本場・韓国のシム・ジェヨン(25)と対戦する。