3月25日にスタートする東京オリンピック(五輪)の聖火リレーについて大会組織委員会などが、福島のサッカー施設、Jヴィレッジ(楢葉町・広野町)で実施する出発式を無観客で開催する方向で調整していることが1日、複数の大会関係者への取材で分かった。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一般客は入れず、関係者のみで実施する方針。

式典の演出なども映像を駆使し、なるべく人が密集しないような取り組みを、組織委や福島県が検討している。子どもたちが合唱する計画もあるが、現地で実施するかは安全面に配慮しながら調整を続ける。

事前予約制を導入し、入場制限をかけつつ一般客も入場させる検討もされていた。しかし、今年に入り11都府県に緊急事態宣言が発出されるなど感染が急拡大したため、慎重に検討を重ねてきた。

ただ、感染状況が落ち着いている自治体では「セレブレーション」と呼ばれる日々の到着式などを事前予約制で人数管理をしながら、一般客も参加できるようにする見込み。

一方、リレーがスタートした後の公道における沿道観覧については、感染が収まっていない地域では自粛を呼びかける方針。1月の箱根駅伝を中継した日本テレビは実況アナが適宜、沿道での観戦自粛をテレビ越しに呼びかけた。聖火リレーでも中継などをするNHKが放送中に沿道観覧の自粛を呼びかける案が検討されている。

リレーを実施している地域で緊急事態宣言などが出るほど感染状況が悪化した場合には、人が走るリレーは見合わせ、聖火を持ち込んだイベントのみを実施し、次の自治体につなぐ代替案が検討されている。