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憲伸で王手…ナゴヤで「日本一」宣言 <日本シリーズ:中日6−1西武>◇第5戦◇22日◇西武ドーム 中日がエース川上の力投で西武の連勝。シリーズ3勝目を挙げ、50年ぶりの日本一へ王手をかけた。西武打線を6回1死までパーフェクト。8回を1失点に抑え、セ・リーグ最多勝投手の底力を見せつけた。悲願の日本一まであと1勝と迫った落合監督は涙の勝利監督インタビュー。あす24日、地元ナゴヤドームに戻っての第6戦で決着をつける。 8回1失点…エースの気合マウンドを蹴り上げた。雄たけびを上げた。川上は鬼の形相だった。7回、西武の大砲2人を直球で斬った。フェルナンデスにはど真ん中の直球。かすらせなかった。カブレラは外角いっぱい。バットすら振らせなかった。8回を5安打1失点、7奪三振。50年ぶりの日本一へ王手をかけたのはやはりエースだった。「きょうは出来すぎ。でも、ここまできたら日本一になりたいです!」。ヒーローインタビューのお立ち台。エースは力強く日本一を宣言した。 日本一になるチームのエースにふさわしい投球だった。気合の裏には冷静さも兼ね備えていた。第1戦の4回、和田に内角いっぱいのシュートを左翼席へ運ばれ、敗れた。「あそこを打たれた記憶はない」。ショックだった。同時に西武打線が内角が得意だということを感じた。この日は谷繁と相談して外角中心の配球に変えた。第1戦は封印していたスライダーも投げた。カットボールと合わせて強打者の届かないコースへ正確に投げ込んだ。6回の1死までパーフェクト。西武を寄せ付けなかった。 前日21日、第4戦の試合中に電話で第5戦の先発を告げられた。山井の好投によってエースの役割は「王手」になった。そして見事に成し遂げた。「きょうは(今季)最後だなと思って投げた。気合だけですよ。打たれても悔いのないように投げた」。川上の表情は達成感でいっぱいだった。 50年前、同じく2勝2敗で迎えた西鉄との日本シリーズ第5戦で完投勝利を挙げ、王手をかけたのは中日の元祖エース杉下だった。投手の分業制が確立し、左腕、変則投手が全盛となった現在でも川上はエースのあるべき姿を追求している。オーソドックスな投球フォームはこだわり。「打者のタイミングを外して打ち取るんじゃなく、力と力の勝負で勝ちたい」。ストライクゾーンで勝負することもこだわり。「ボールを振らせるというのは逃げることだと思う」。半世紀の時を超えて中日に出現した大エースが日本一王手まで再現した。 試合直後。敵地ながらわれんばかりの大歓声だった。お立ち台に立った落合監督の目はみるみるうちに潤んできた。「いい形で名古屋に帰れる。なんとか50年ぶりの日本一をとりたい…」。泣いていた。感情を押し殺す指揮官が「この声援ですよ」と声を詰まらせ、ファンに日本一を約束した。「あと2つのうち1つ勝てばいいというのではない。目の前の勝利をつかみにいく。そうじゃないとペナントは取れないよ!」。もう立ち止まる必要はない。あす24日。本拠地で一気にケリをつける。【鈴木忠平】 中日谷繁(6回に好ブロックで追加点を許さず)「ホームランで1点取るのも、ああやって守備で防ぐのも同じ。大きかったですね。川上はすべてにおいてすごかった。うちのエースですから」
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