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川上好投は山井のスライダーがヒント/山田のこだわり 台風に見舞われ、順延になる異常事態があったとはいえ、中日落合監督にとってはこれほど痛快な遠征はないだろう。西武ドームで2勝1敗と勝ち越し、日本一に王手をかけ、名古屋に戻れる。その最大の原動力はエース川上だ。長いプロ生活を送ってきた山田久志(日刊スポーツ評論家)はため息まじりに話す。 山田 川上はこの試合が、正真正銘、今年最後の登板になるのを肌で理解していた。何度も日本シリーズで投げた自分の経験から言わせてもらえば、そういう試合では1年の集大成を見せようと張り切るもの。いいものをすべて見せようという心意気がキッチリ結果に出ていた。 6回1死まで1人の走者も出さない投球。結局、8回を投げ、5安打無四球1失点で白星をもぎ取った。文句のつけようのないマウンドだったが“伏線”があったという。それは前日第4戦に先発した山井の好投だ。 山田 山井の持ち味は右打者の外角に決まるスライダー。それで面白いように西武打線を抑えた。リードする谷繁はフェルナンデス、カブレラ、和田の長距離砲を主軸にする打線に対し、攻略法をつかんだ。この日も川上に徹底的に外角のスライダー、カットボールを要求した。直球は内角に外す見せ球に限定。その組み立てで料理した。 カットボールは変化が少なく、球速が落ちる。投手コーチとして、監督として5年の付き合いがある山田によれば、川上は左打者のタイミングを外すためのカットボールは使うが右打者にはあまり投げない。制球ミスをした場合に長打を食らうことを恐れるからだが、この試合では多投していた。そこに谷繁の強い確信が見える。 川上の好投は西武西口に強いプレッシャーをかけた。4回にアレックス、リナレスに連続四球。中日の中で一発を警戒しなければならないのがこの2人だ。味方ミスもあって1失点していた西口には「これ以上、1点も…」という心理が働いたはず。長打を警戒するあまり簡単に歩かせ、自分を苦しめた。この回、2失点。西武の敗戦、中日の勝利はこの時点で動かないものとなった。 山田 西口も本当によく投げたと思う。だが川上の好投に負けた。先発投手は相手の先発投手とも勝負するという典型的なケースだったな。この勝利で中日は一気に行きそうだ。独断なら、MVPは川上だ。(日刊スポーツ評論家)
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