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G大阪宮本、ジーコ監督から異例の個別シュート指導

 ジーコ監督(51)が勝利へのあくなき執念を見せた。W杯1次予選突破がかかるオマーン戦(13日・マスカット)に向けた日本代表千葉・成田合宿3日目の7日、ジーコ監督はDF宮本恒靖(27=G大阪)に異例の個別シュート指導を行った。ほとんどシュートチャンスのないセンターバックに対して、キックの体勢やシュートの種類などを事細かに教え込んだ。このこだわりこそ「負けられない戦い」に臨む強い決意の表れ。8日に市原ユースと試合を行い、実戦で最終調整段階に入る。

DF最後方の男でも…わずかな可能性がある限り

 ジーコ監督の決戦にかける意気込みが、そのシーンに象徴されていた。合宿3日目の午前練習。全員で約40分間、合計333本のシュートを打った練習を終えた時だった。ジーコ監督が宮本をつかまえ、突然ジェスチャーを交えて早口にしゃべり始めた。

 「今まであまりなかったことですね。正直、驚きました」と宮本。それはDF陣の中央に位置して守備ラインを統率するセンターバックへのシュート指導だった。内容も詳細だった。「振りがコンパクトになりすぎている。もっと足を振り抜け」「逆サイドへシュートするときは、インサイドキックだとボールの回転でゴールの枠から逃げていく。それよりインステップかアウトにかけて蹴った方がいい」。宮本は単独シュート練習で6本打って1本しか決められなかった。基本を再認識させるために、ジーコ監督は熱いうちに鉄を打った。

 現実問題として、宮本が試合でゴール前からシュートを打つ機会はほとんどないかもしれない。だが、ほんのわずかでも可能性があるのなら準備はしておいたほうがいい。「ジーコもそう言っていた。シュート1本の大切さをあらためて意識できた。こっちが1点取るか、取らないかは大きいですから」。宮本も指揮官の熱意をしっかり受け取っていた。

 ジーコ監督にとっては、宮本がDFだろうが関係なかった。ピッチに立つフィールドプレーヤーの1人として、真剣なまなざしで思いを伝えた。何が起こるか分からないのがW杯予選。1本のシュートミスが勝負を分ける厳しさがある。身をもって怖さを知るジーコ監督は、どんな細かなことも見逃さなかった。「相当に気合が入っている」。ジーコ監督に近い関係者は、オマーン戦にかける悲壮な決意を感じ取っている。ほんのわずかな可能性にこだわったことがその表れ。ドイツへの道を切り開くためにいかなる妥協もしない。 【西尾雅治】


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