【先読み論】巨人亀井善行コーチ「監督の先の先を考える」「僕は答えを先に言う」

来季、打撃コーチから配置転換された巨人亀井善行外野守備兼走塁コーチ(41)。秋季練習、秋季キャンプではユニークな練習を導入し、「安定感」と「意識付け」をテーマに頭を使った練習を選手たちに求めました。後半戦、勝負どころで力を発揮できるような“スーパー控え軍団”を作り上げ、中大の先輩でもある阿部慎之助新監督(44)を支えるために工夫を凝らします。現役引退してからコーチ3年目へ、指導方針を聞きました。

プロ野球

◆亀井善行(かめい・よしゆき)1982年(昭57)7月28日、奈良県生まれ。上宮太子、中大を経て、04年ドラフト4巡目で巨人入団。09年ゴールデングラブ賞、14年交流戦MVP。21年に史上初の開幕戦代打サヨナラ本塁打。実働17年で通算1413試合出場、101本塁打、462打点、打率2割5分7厘。09年WBCの日本代表。引退後は22年から巨人コーチ。現役時代は178センチ、82キロ。右投げ左打ち。

「意識付けは口うるさく」

――この秋、変わった練習も取り入れた。近い距離での捕球の練習したり、あえて太陽にかぶらせてフライノックしたり

亀井この時期にしか出来ないというか、シーズン中やったら、試合メインになってくるから。今回に関しては、安定感っていうところと意識付け。(秋季練習)初日はぼーっと見てたら、やっぱり意識がなく、淡々とやってる。練習、どうせやるならね。

外野でいったら安定感、走塁では意識付けを僕の中で課題にしながら見てましたけど、やっぱりまだまだっていう子が多いです。毎日うるさく言わないとできない。自覚持ってそれぞれでやってもらわないと、っていうところかな。

中堅選手が多いわけじゃないですか。その辺がしっかり、意識してやってもらわないと、まだまだ伸びしろある子も多いから、と思って話はしてるんだけど。

入寮し、中大の先輩・阿部慎之助(左)に励まされ=2005年1月

入寮し、中大の先輩・阿部慎之助(左)に励まされ=2005年1月

――外野守備兼走塁コーチとしてどう阿部さんを支える

亀井支えるというか、やっぱり勝つためにっていうところだと思うんですよ。目標的には優勝とか日本一とか、もうそれは変わらないと思うし、その中で強いチームを作らないといけない。僕が目をつけたのは、意識付けというところなので。それぞれ走攻守そろってたら、それはもう最高なわけで。

だけど足で1軍いる人もいるし、守備で1軍いる人もいるでしょうし、そういう人らが、意識がないと伸びないんで。意識付けにはしっかりこだわって、言っていこうかなと思ってます。まあ、練習なんで飽きないように、ちょっとどうしようかなとは思ってるけど、その中で意識付けは口うるさく言っていこうかなと。

――この練習はこのためにやってるんだよとか、そういうことをなるべく伝えていく

亀井そう。僕は答えを先に言うんで。こういう意味があるからやるよ、お前はこういう課題があるから、こういう風な練習するよとか、先に言っちゃう。そういうスタイルじゃないと、質は高められないですね。わけのわからん量だけこなしても意味ないので。質を高めるためには、そういうのをしっかり意識させて。それは走塁も守備もしっかりやらせたいなと。

侍ジャパン宮崎秋季キャンプで井端弘和監督(左)と=2023年11月

侍ジャパン宮崎秋季キャンプで井端弘和監督(左)と=2023年11月

――盗塁数リーグ4位だった。来季はどうしていく

亀井今年はやっぱり走れる選手が少なかったから。そこだよね。それでも4位っていうところで、それ以下のチームもあったわけですけど。さっき言ったけど意識付けというところかな。

走塁って足遅くてもなんぼでも狙えるんで次の塁。盗塁だけじゃない。走れる人はとことんいいものを追い求めるのはいいけど、あまり走れない、盗塁が苦手だったりとか、遅い人でも次の塁を狙う姿勢っていうのは持ってもらうようにはします。

僕とかでも盗塁は出来なかったけど、隙を突く走塁は好きだったから、とにかく頭に常に入れておかないとスタート切れないので。そういう部分で意識付けというところ。選手にも多分言わないと、意識できないと。

――期待してる選手、課題がある選手

本文残り66% (2862文字/4318文字)