【Z世代】巨人松井颯の傍らにはYouTube「知識を入れないと行動に移せない」

情報にあふれたデジタル社会の現代だからこそ、プロの世界にたどり着いたのかもしれません。巨人の育成1位ルーキー松井颯投手(23)は、YouTubeやネットを駆使して自らの肉体や投球フォームを客観的に分析。花咲徳栄(埼玉)時代には、エース野村佑希(現日本ハム)の影に隠れて4番手、5番手投手でしたが、自ら知識を探し求めて行動に移して念願のプロ入り。1年目から支配下契約、プロ初勝利とステップを踏みました。その歩みと思考に迫ります。

プロ野球

◆松井颯(まつい・はやて)2000年(平12)9月14日、東京都生まれ。花咲徳栄時代はエース野村佑希(現日本ハム)と同学年。背番号「15」で18年夏の甲子園2回戦の横浜戦に救援登板した。首都大学リーグ2部の明星大を経て、22年育成ドラフト1位で巨人入団。5月15日に支配下選手登録された。同21日の中日戦で5回無失点でプロ初勝利。巨人の新人で初登板、初勝利は19年4月4日高橋優貴以来14人目で、先発で無失点の白星は、2リーグ制以降では球団史上初となった。育成ドラフト出身の初登板、初勝利は史上4人目で、新人では2人目。今季は8試合の登板で1勝1敗、防御率3・26。178センチ、83キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸420万円。

「僕は背も小さいので」

ヒントはスマホに転がっていた。

松井が画面を食い入るように見つめた。花咲徳栄時代は、エース野村らに阻まれて4番手、5番手投手だった。明星大進学後も、4年間全て首都大学リーグの2部で戦った。活路を見いだしたのは、自らの頭で考えてネット上に転がる情報を駆使することだった。

「YouTubeやネットから使える情報を活用するのは、間違いなく役に立ってます。まず、知識を入れないと行動に移せない。僕は背も小さいので、考えて行動しないとプロには行けなかったと思います」とプロ入り後、改めて振り返る。

自ら情報にアクセスし、学び、取捨選択する。それがプロ入りへの道を切り開いた。

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